展示会期間中の滞在をより良くするためのコツを教えてください

できるだけ、街を歩く時間を確保することをおすすめします。展示会場にいるだけではわからない現地の雰囲気に触れることで、その国で何が求められているかを知るヒントが掴めるからです。

そこまでの時間がない場合は、例えば隣り合ったブースの人などとコミュニケーションをとってみてください。仲良くなることができたら、カフェなどで話をする時間をつくって、ネットワークを広げる努力をしてみましょう。ヨーロッパのビジネスは決してドライではなく、むしろ人と人のつながりを大切にします。いろいろな人とコミュニケーションを図ることで、良質なバイヤーやディストリビューターと出会えるチャンスが広がる可能性もありますよ。

海外展示会へ出展すると、渡航費を含めて多額の費用がかかります。コストに見合った成果を得るためにも、現地でなければ経験できないことを積極的に経験し、現地でなければ会えない人と話をすることが大切です。

私のクライアントに刃物メーカーの「藤次郎」がありますが、テーブルウェアで結果を出すため、パリの三ツ星レストランで製品を採用してもらうことをゴールにしていました。でも、三ツ星レストランに行ったことがないまま開発しても的外れになると思い、インテリア・デザイン見本市「メゾン・エ・オブジェ」に出展したのを機に、クライアントとともに訪れて食事をしました。非常に高価でしたが、場所や雰囲気、サービスを実際に体感したことで、製品にも一本芯が入ったと思っています。